【2005年3月7日〜13日】
■アルカイダの能力は衰退していると工作員[050313 AP]
●ブッシュ政権高官は最近、アルカイダが新たな攻撃を計画し、工作員たちが核兵器や生物化学兵器を入手しようと躍起になっていると述べた。しかしパキスタンとアフガニスタンにいる諜報部工作員や政治家、米軍関係者は、別の見解を持っているようだ。
●最近行なわれた取り締まりやパキスタン人アルカイダ幹部の殺害などで、アルカイダは弱体化しているという。
●パキスタンの諜報部工作員たちによると、アルカイダ関係者の「おしゃべり」をここ数ヵ月間傍受していないという。またビンラディンの居場所や、彼が新たな作戦を計画しているというような情報は、それ以上前から全く入手していないらしい。
●ISI幹部も、アルカイダ戦士につながるような重要な情報は、ここのところないと述べた。「去年は、アラブ人たちがカルザイやムシャラフについての憎しみを語る会話を無線でしばしば傍受していた。南ワジリスタンの隠れ家までたどることができたが、それ以後、会話はなくなった」という。
●アフガニスタンにいる米軍も同じ意見だ。Eric Olson司令官は、アルカイダが核兵器や生物化学兵器を入手しようとしていることを示唆する情報は何もない、と述べた。 (後略)
Al-Qaida Ability Diminishing, Agents Say
PAUL HAVEN、ISLAMABAD
■部族の長老殺害で、武装した男たち逮捕[050313 AFP]
●パキスタンの北西部で、親政府派の部族の長老を殺害した男2人を逮捕した。
●南ワジリスタンのタンクで、マフスード族の長老Rasool Khanが殺害された。逮捕されたEhsan UllahとSaeed Alamは、Khanが当局にアルカイダと関係のある過激派についての情報を提供していたから殺害した、と述べた。
Gunmen arrested for murder of tribal elder in Pakistan
TANK
■パキスタン、捜査のために核兵器部品を国連に提出予定[050313 Reuters]
●パキスタンは近々国連に、イランの原子力計画の謎を解決するために、使用済みの遠心分離器を提出するだろうと、外交筋が日曜日に述べた。
●イスラマバードは先週、カーン博士がイランに遠心分離器を売ったことを初めて認めた。「イランの施設で発見されたウランのDNAともいえる、決定的な証拠が得られる可能性がある」という。
《パキスタンに圧力かかる》
●ある外交筋によると、パキスタンはアメリカに圧力をかけられているために、態度を変えつつあるのではないかと述べた。また国際原子力委員会が、パキスタンがさらに進化した第三世代遠心分離器を入手するための材料を欧米受給者から入手できないよう圧力をかけることも、ひとつの原因だとみられる。「パキスタン人たちは協力することで、国際原子力委員会が自分たちの供給ルートに圧力をかけるのをやめることに期待している」と、別の外交筋が述べた。
●オルブライト国連前捜査官は、パキスタンの供給ルートが遮断されたことは好ましいと述べた。またカーンの闇マーケットが明るみに出たあと、パキスタンが核の部品を入手しようとしていることを、産業関係者たちに警告してきたという。「1年ほど前に欧州のある国から、パキスタンは核兵器装置を一新するための資金を準備し、マレーシアが最終目的地であるように偽装して入手しようとしているという警告を受けた」と述べた。
●この件について、国際原子力委員会のスポークスマンはコメントを避けているが、外交筋2人が、部品がマレーシアに到着したことを認めた。外交筋は、オーストリアに出荷された部品とイランに売られたものは、同じ一連の遠心分離器だった可能性があるという。「部品は夜中、密かにウィーンに空輸される」という。
●もし国際原子力委員会がイランで発見された濃縮ウランのすべての痕跡を、パキスタンの部品からたどることができたら、イランが混入物については真実を言っていることになる。もしできなければ、パキスタンは正しい部品を渡さなかったか、イランがウランか機械を別の国から入手したことになる。またはワシントンが疑うように、イランが密かにウランを濃縮した可能性も出てくる。
Pakistan to give UN nuclear parts for Iran probe
Louis Charbonneau、VIENNA
■ヨーロッパ、CIAが誘拐に関わったか捜査[050313Washington Post]
●Abu Omarとして知られているエジプト人原理主義宗教者が、ミラノのモスクに向かう途中、顔に薬物をスブレイされ、車に詰め込まれた。それ以来目撃されていない。
●ミラノの捜査官たちは、誘拐犯を追いつめているようだ。先月北イタリアのAviano空軍基地を訪れ、誘拐事件があった時期にアメリカ・イタリア合同軍事施設を出入りした米軍機について質問。また基地を出入りした車輌の記録も求めた。
●イタリア当局は、エジプト人は、テロ容疑者を拷問が実施される国に強制的に連行する、CIAの"rendition"の犠牲になったと疑っている。
●イタリアの事件は、過去においてヨーロッパ西部で起きた3件の"rendition"のひとつである。CIAはこれまで友好的な地元機関と共同で作戦をおこなってきたが、イタリア、ドイツ、スウェーデンは、アメリカがテロ容疑者を拘束して拷問や虐待に処したことで、地元の法を犯したかどうか捜査している。
●CIAは"rendition"の詳細を機密事項にしているが、テロを防止するための効果的、合法的な方法だと主張している。諜報部高官は、9.11以後、この戦術をしばしば用いていることを証言した。
●ブッシュ当局は政府から"rendition"を用いることを擁護されているが、容疑者たちが送り込まれたと思われるエジプト、ヨルダン、パキスタンを含む国々の人権団体から、強く非難を受けている。ヨーロッパでは、この行為は地元の主権と人権に対するあからさまの侵害であるとして、法律家や法執行者がブッシュ政権に疑問を投げ掛けている。
●アメリカの工作員を告訴するためには、さまれまなハードルがあるが、イタリア、ドイツの捜査官たちはあきらめていない。同時にヨーロッパの捜査班は、エジプト人以外に4人の男が行方不明になった事件にアメリカが関わっていないか、捜索をしている。全員虐待を受け、のちに拷問されたと訴えている。
●ドイツでは41歳のKhaled Masriが、2004年1月にバルカン半島を休暇で訪れたときに監禁され、カブールに連れていかれた。そこで4ヵ月間テロリストとして拘束された。しかし望んでいたアルカイダ容疑者ではないことがわかったあと、バルカンに戻され、アルバニア国境付近の丘に置き去りにされたという。拘束した者はアメリカ英語を話したと述べたとMasriは証言する。
●ドイツの捜査官は彼の話の裏付けをすべてとり、誘拐事件として捜査している。「今のところ彼の主張が誤っているとは思えない。謎はすべて明らかにした」と、ミュンヘンの捜査官Martin Hofmannが述べる。「彼が誰に拘束され、虐待、拷問されたたのか、誰に責任があるのか、捜査している」という。
●スウェーデンでは2001年12月に、CIA工作員がエジプト国籍の男2人をアメリカが登録した飛行機に乗せ、強制的にカイロに連れていった事件を捜索している。2人は、カイロの刑務所で拷問を受けたと主張。
●そのうちの1人はエジプト警察によりテロリストではないとして釈放されたが、もう1人はいまだ刑務所にいる。この機密工作の詳細が報道されると、スウェーデンはショックを受けた。
●スウェーデンは密かにCIAを招いて協力を求めてはいたが、先週スウェーデンの治安警察は、外国人工作員が今後このような事件を扱うことを許さないと約束した。「今後テロリストを追放するときには、スウェーデンの法律を用い、スウェーデンの方策でスウェーデンの軍隊を用いて実施する」。
《謎の鍵》
●ミラノでは、1997年にエジプト生まれの聖職者がアルバニアからイタリアに入って間もなく、対テロ警察にマークされていた。彼はAbu Omarとして通っていたが、本名はHassan Mustafa Osama Nasrという。42歳のボスニアとアフガニスタンの戦争で戦ったベテラン戦士で、エジプトの指名手配者だった。活動を禁止されたイスラーム原理主義組織に属する容疑がかけられていた。
●Nasrはミラノの2つのモスクで説教をして、宗教的、政治的原理主義者たちの関心を買っていた。モスクのひとつは、テロ組織に資金を流しているとアメリカに疑われ、「武器、人間、金を世界に流す」ことに協力していたといわれる。
●Nasrはアメリカのアフガニスタン侵攻を強く非難し、アメリカの中東政策に抗議するビラを配った。イタリアの対テロ警察は彼の電話を盗聴し、監視下に置いていた。 (中略)
●Nasrが消えて連れ去られたという目撃情報が入ると、家族やモスクのリーダーたちは誘拐だと報告した。最近移民してきたという目撃者は、目撃した事実を警察に話すのが怖いと述べたため、捜査官たちはNasrは自分の意志で姿を消し、米軍と戦うためにイラクに言ったと考えた。
●一応行方不明者として扱ったが、1年ほどは何の進展もなかった。ところが2004年4月に状況が変わった。Nasrの妻が夫から電話を受けたのだ。夫は、誘拐されてイタリアにある米軍基地に連れていかれたと述べた。その後別のアメリカ基地に連れていかれてから、カイロに来たという。
●Nasrの家の電話を盗聴していたイタリア警察が、この通話を録音した。会話の詳細は一般公開されていないが、Nasrのモスクの仲間たちによると、カイロの刑務所で拷問を受け、氷点下の中を裸で監禁されたという。
●Nasrは妻に、エジプトの刑務所から釈放され、家に軟禁されていると電話で述べたが、親戚たちは、彼の会話がイタリアの新聞で報道された直後、再び刑務所に拘束されたと信じている。(中略)
●イタリアの警察は、CIA工作員を含む15人ほどの工作員がNasrの誘拐に関わったとみる。(中略)
《捜査の協力》
戦時中の利点を持つ人
●2003年12月、Khaled Masriはドイツのウルムの自宅で、妻と口論した。数日間いないほうがいいということになり、マケドニアのスコピエ行きのバスの乗車券を買った。元旦、マケドニアの国境の入管で、彼のバスポートを見た高官が理由もなく彼を拘束した。別の工作員が彼を取り調べ、アルカイダメンバーであることを認めろと、強制した。
●Masriは無罪を主張したが、3週間マケドニアで拘束された。その後2004年1月の終わりに、叩かれ、裸にされ、手錠をはめられ、飛行機でアフガニスタンに連れていかれたという。悪条件下で刑務所に入れられ、繰り返し取り調べを受けた。その後2004年5月にバルカンに再び連れていかれ、アルバニアとの国境近くで釈放された。警備官がパスポートと金を返したという。
●Masriの話を数回にわたって聞いたドイツ警察は、彼の主張は信頼できるという。 (中略)パスポートの記録、バスの運転手の証言などから、彼の行動のすべてに裏付けがとれた。マケドニアからアメリカの工作員によって飛行機で移動させられたという主張も、飛行記録から確認がとれた。Aviation基地の記録では、アメリカが登録したジェット機がスコピアに1月23日夜9時に到着し、6時間後に離陸したことを示す。Masriはドイツの警察に、同じ日にちと時刻を報告している。
●この飛行機N313Pは、当時アメリカの会社Premier Executive Transport Services Inc.が登録しているが、これはCIAの偽装会社であることを指し示す。同じ会社は別の航空機Gulfstream jetも所有し、この機体はスウェーデンの事件を含む他の拉致事件にも使われた。
●Masriの弁護士は、彼の名前がアルカイダ容疑者Khalid Masriと名前が同一だったために誘拐されたと考える。弁護士のManfred Gnjidicはベルリンのアメリカ大使館に、この件について問い合わせているが、返事はない。「彼らが背後にいることは確かだ。何らかの罰をあたえ、責任をとらせたい」という。
●大使館の報道官Robert Woodは質問に答えることを拒否したが、「我々の政策は明らかだ。アメリカは拷問を施すことがわかっているような国に、逮捕者は送らない」という。マケドニアの高官も何も語らない。
●ドイツの法律によると、ドイツ市民に対して犯罪が行なわれた場合、それがたとえ国外であっても、当局は捜査をする権利がある。ミュンヘンの捜査官Hofmannは、国外では捜索が限定されてしまうことは認めるが、マケドニア、アルバニア、アフガニスタンの高官の協力を仰ぐという。「まだ情報が入ってくると確証している。この件は政治的に問題がある。関わった者たちには、圧力がかけられることは確かだ」。
Europeans Investigate CIA Role in Abductions
Craig Whitlock、MILAN
■銃の法令と安全[050312 Dawn]
●政府がFataで重火器を徴収すると発令したが、これはすでに無視されている。木曜日に知事が発表した声明では、重火器の使用や展示を禁止する傍ら、部族民たちは護身のために軽火器を持つことを許した。
●部族間の闘争や治安部隊に対して、部族民が重火器を無制限に使用している事実は「重大問題」だという。しかしFata当局の重火器の徴収するという指示は無視され、部族民たちは対空銃を含む重火器を持って車でバザールを移動し、チェックポストを通過している。
●末端までまだ指示が行き届いていないのかもしれないし、実行に移されるまで、時間がかかるのかもしれない。しかし経験者によると、このような指令はFataだけでなく、全国的に発行されているが、実行されないことが往々にあるという。
●事実は、重火器に関しては国全体が部族地帯となっていることだ。これらの武器の存在がFataの現象であるなら、治安部隊はその全エネルギーを用いて部族地帯から武器を一掃するべきだった。しかし重火器は国内どこにでもある。1月には抵抗勢力たちが400発以上のロケット弾をガス施設に撃ち込んだために、国土のガス供給に大きな影響を受けた。
●バローチスタンでは、あちこちでロケット弾が使われている。Fataから遠く離れたカラチでも、まるでタバコを入手するのと同様に簡単に、マシンガン、サブマシンガン、ロケット弾、手榴弾、爆発物、爆弾製造材料などが手に入る。
●驚くことは、治安機関はこれらがどこから流入してくるか知っていることだ。Fataから誰が持ってくるか、どこに運ぶか、どこに貯蔵され、誰が誰に売却しているかもつかんでいる。
●カラチだけをとっても、Sohrab Gothが武器マーケットであることは、周知のことだ。そこでは誰もが、好きな武器を購入できる。これらはFataから入ってくるだけではない。アフガニスタンは、最大の武器供給所でもある。
●悲劇は、これらの武器を犯罪人が買うだけではないということだ。自分たちの軍隊を維持するために購入する組織や、要員がたくさんいる。スィンドやバローチスタンには、このような武装した「世俗的」軍隊がたくさんある。さらにイスラームの暴力的な教えを普及しようとしている組織もあり、武装して訓練を受けた人間を用いて、暴力をふるう。
●したがってFataで重火器が徴収されたからといって、国から銃がなくなるわけではない。Fataの状況が好転し、木曜日の発令が効果的に実施されるのを待ちたい。
●治安機関はもっと多くのことをするべきだ。(後略)
Gun laws and security
■カーン博士、パイプライン、そしてイランに圧力をかけるアメリカの政策[050312 Daily Times]
●情報大臣のSheikh Rashid Ahmedはとうとう、カーン博士がイランに濃縮ウランを作るためる遠心分離器を渡したことを認めた。
●なぜこの時期に? 新国務省長官のライスがパキスタンを訪問する数日前のことである。イランで起きている、もうひとつの事実も興味深い。アメリカは、インドがイランとガスパイプラインの取り引きを締結するまで、あと6ヵ月待ってほしいというのだ。最近になってインドのガスの需要が増大したことと印パ関係が改善しつつあることを受け、ニューデリーはこの件に関して急に熱心になった。アメリカはインドに、この取り引きを止めて欲しいといったのではなく、数ヵ月遅延してほしいと言ったことは興味深い。インドの石油省のMani Shankar Aiyarは、ニューデリーはワシントンの心配を受け入れ、インドがテヘランと取り引きを締結するころまでには、アメリカの心配も解決することを望んでいると述べた。パキスタンも中継点となるために、アメリカはパキスタンにも待ったをかけたのは確かだろう。
●第3のニュースはライスがパキスタンに 、F-16の売却を発表する可能性があることだ。インドはこの件に関してアメリカに抗議しているが、アメリカはインドにPatriot ABMシステムなどの売却を示唆している。いずれにせよアメリカの南アジアの政策は、インドとパキスタン両国を和平協定に沿って歩ませることだ。今のところうまくいっている。したがってアメリカはインドとパキスタン両国に、何か大事なものを提供しなければならない。インド、パキスタン、アメリカの点をたどると、どのような形がでてくるか?
●アメリカのイランの核計画に対する戦略だ。アメリカはイランの核能力を憂慮している。アメリカは、イランは核兵器製作完了まであと6ヵ月のところにいると、繰り返しリークしている。武力駆使のオプションは常にあるが、イラク政策のためには、イランのバックアップが必要であることも確かだ。(中略)イランの核問題を心配するのは、パキスタンも同じだ。Rashidの声明は、イランにプレッシャーをかけることでもある。パイプラインの取り引きを延期させることと同じように。インドは、取り引きが締結するまでにアメリカの問題が解決することを望んでいる。パキスタンもその痛みのために、F-16を得るかもしれない。ライスの訪問は、アメリカとパキスタンの関係がほつれ、見解の一致と不一致が生じて� ��るさまざまな点を解決することになるだろう。(後略)
AQ Khan, pipeline and US policy to pressure Iran
■北ワジリスタンの長老、行動を警告される[050312 Dawn]
●軍司令官が、もし部族民たちが約束を守って外国人抵抗勢力に対して行動しないならば、北ワジタスタンで軍事作戦を実行すると警告した。
●ペシャワルの警察司令官Safdar Hussain准将は、少数ではあるが外国人テロリストたちがまだこの地に隠れていることを深刻に受け止め、部族地帯の安定を図るべきだと警告した。部族の長老や宗教指導者たちに、彼らを追い出し、軍が作戦を実行せずにすむようにするべきだと進言した。
●「すべての部族や枝族がテロリストを匿わないという合意書に調印したにもかかわらず、諜報情報はテロリスト何人かがまだ隠れていることを示している。彼らに対して強い行動に出なければ、政府は軍事作戦を行なう」という。
●「我々の目的は、この地域に平和を回復することだ。部族民たちとの間の対話の道は常に開かれている」とSafdar Hussain准将は述べた。また、地元民たちがパキスタンを不安定に陥れようと試みる力に手を貸していることを嘆いた。
●ユルダシェフのようなテロリストたちが、ジハードという名目を掲げて、パキスタンの地で政治的使命を遂行していることは公然の秘密だという。そして宗教学者たちに、部族民たちに自覚を植えつけることを呼びかけた。
N. Waziristan elders warned of action
PESHAWAR
■ジハード、続く[050311 Asia Times]
●ムシャラフ大統領が過激派のジハード組織を一掃したと主張しているにもかかわらず、国内にある、4つの活動を「禁止された」過激派組織の活動を見ると、彼らが再び動き始めたことがわかる。名前やメンバーを変えて自由に活動し、イスラームを守るために異教徒たちにジハードをすることを呼びかけている。
●2度にわたって−2002年1月12日と2003年11月15日−、ムシャラフはいかなる組織も人間も、今後テロに関わることは許さないと宣言した。しかし最初の取り締まりのあと、4組織、ラシュカレ・トイバ (LeT)、ジャイシェ・ムハンマド (JeM)、ハラカット・ムジャヒディン(HuM)、ヒズブル・ムジャヒディン (HM)は再び浮上して再結成し、名前だけを変えながら以前と同じように活動し始めた。
congerssional不作為とカトリーナの災害は何ですか
●それぞれの組織のリーダーであるHafiz Mohammad Saeed、Maulana Masood Azhar、Maulana Fazalur Rehman Khalil、Syed Salahuddinは再び自由だ。ムシャラフの彼らに対する態度を見ると、インド領であるジャンムー・カシミール (J&K)をコントロールするための伏兵としてつながれていることは明らかだ。
●9.11以後、4人はムシャラフの「アメリカの奴隷政策」を強く批判し始めたために、自宅軟禁となった。さらに、ムシャラフがアフガンジハードに対する態度を転換したことに怒ったジハード組織の活動家たちが、取り締まられた。またアメリカの圧力を受けて、イスラマバードは一時的にJ&Kでのジハード活動を中止しなければならなくなる。ジハード組織は忠告に従って「地下に潜って状況をみる」政策をとり、ムシャラフは事実上、ジハード組織を撲滅する具体策を行なわなかった。国家組織とジハード組織間の同盟は古く、イデオロギーを共有しているからだ。
●ムシャラフ政権の過激派ジハード団に対する失敗は、500人以上ものアルカイダをブッシュ政権に引き渡したことを考えると、不可解だ。FBIの「指名手配者」リストに入っていないイスラーム過激派組織を取り締る意思が欠如しているため、パキスタンにあるすべての主要ジハード組織がいかなる制約も受けずに、自由に活動を続けている。
●これまで国家が保護していたジハード組織を、ムシャラフはもうコントロールできなくなっていることを、ムシャラフ自身が認めている。聖戦士たちは、戦いをやめる気配もない。いっぽう、パキスタンの体制側は、ジハード団たちと共通のゴール−ジハードによるジャムー・カシミールの解放−をめざす原理主義者たちと、同盟を組んでいる。
●宗教政党Muttahida Majlis-e-Amal(MMA) が去年の選挙でムシャラフを応援しなければ、ムシャラフは2004年12月までに陸軍長官の地位を退かねばならなかっただろう。軍、ムラー、ジハード団たちはJ&Kに関して、同じ主張を掲げている。したがってアメリカの「テロとの戦争」の信頼ある同盟国パキスタンは、イスラーム原理主義の波のうねりに対面しなければならない。
●現在MMAは、国会の議席の20%を占めている。アフガニスタンの前タリバン政権を支持していた宗教的右派が、国政の周辺から中央に躍り出たことを意味する。その結果、武力活動を支持する動きが、かつては存在しなかったパキスタン社会のさまざまな部分にまで広がっていった。
《ラシュカレ・トイバ(LeT)》
●J&Kで活動する過激派は印パ間の対話を悪いニュースと捉えているにもかかわらず、最も恐ろしいジハード組織と考えられているLeTとその母組織Jamaat-ud-Dawaは沈黙している。Jamaat-ud-Dawaの責任者Hafiz Mohammad Saeedに近い筋によると、当局に取りあえず鳴りを潜め、印パ和平交渉を批判する声明を出さないように説得されているらしい。
●それと引き換えに、Jamaat-ud-Dawaとその武装支部であるラシュカレ・トイバには制裁は与えられず、資金の徴収やデモ、ジハード員たちの募集や彼らの訓練を取り締まらないという確証を与えられた。その結果、1年間表向きには圧力をかけられたSaeedは、再び活動を開始し、パンジャーブで激しいスピーチをしている。Saeedに近い仲間によると、各地から若いジハード志願者たちがアザド・カシミールにある訓練所に集まり、数は制限されてはいるが、J&Kに送り込まれているという。
●LeTは、アザド・カシミールから活動している唯一のジハード組織で、リパ谷にあるKhairati Bagh訓練所に、比較的多数の活動家を抱えている。ムザファバードのNala Shuiには別のLeTのキャンプがあり、若い活動家たちがパンジャーブにあるJamaat-ud-Dawa本部で最初の訓練を受けたあとで送り込まれ、ここからジハードにでかける。定期的に25〜50人という大きなグループでジハード員たちを送り込んでいたこれまでの戦略とは異なり、最近は5〜15人という小さなグループで、間隔をおいて送り込むことになったと情報筋が述べる。
●公的に活動を禁止されているにもかかわらず、パンジャーブの都会でも田舎でも、若者を勧誘する張り紙が目撃される。これらの張り紙には、地域事務所の電話番号が記されている。同様にLeTやDawaの活動家たちは金曜日の礼拝ごとにモスクの外で、カシミール、パレスチナ、チェチェン、コソポでジハードをすることを勧めるパンフレットや小冊子を配る。さらにワシントン、テルアビブ、ニューデリーにイスラームの旗を翻すことを誓う。(中略)
●2001年12月にアメリカがLeTをテロ組織と断定したあと、LeTの責任者のHafiz Saeedはラホールで記者会見し、ジャンムーのPoonch地方出身のMaulana Abdul WahidDawaをLeTの責任者に任命し、自分はJamaat-ud-Dawaを率いると述べた。Jamaat-ud-DawaはMarkaz Dawa Wal Irshadの新しい名前である。
●記者会見でSaeedは今回の変更に関して、パキスタンがカシミール谷でジハードのスポンサーとなっているという、インドのプロパガンダに対抗するためにだと述べた。また自分がLashkarの長を退くのは、国内外の圧力のためではないとも語った。1週間後(2001年12月31日)、Saeedは秩序を乱す演説をしたということで、自宅軟禁となる。その後Jamaat-ud-Dawaで、世界が納得するような仕事をするように頼まれる。
●その後数年間DawaはLeTから組織を切り離したために、公的な制約をうまくかわしていった。同時にカシミールの戦いが自由のための戦いであるがごとくの印象を与えるために、LeTは2002年に基地を「インド支配のカシミール」に移すと宣言した。
●この2年間、Hafiz Saeedはジハードの使命をカモフラージュするためのさまざまな手段をとり、Dawaがテロ組織というカテゴリーに該当しないように巧妙に動いた。Dawaはkhidmat-e-khalq(社会安寧)に焦点をあてた。これはdawat(イスラームの使命)の一部で、ジハードのようなものだ。dawatを人々に広めることに重点を置くことで、活動基地を拡大していった。また大学生を重視し、Dawa幹部はその学生部門であるTulaba Jamaatul Dawaを最近設立した。こうしてパンジャーブ中の若者たちに、dawatを広めている。
●Saeedに近い者によると、Dawaはその活動の焦点を変更したことで、ムシャラフが2003年に課した新たな制裁を免れた。しかしSaeedの組織を見逃したムシャラフの意図は、Saeedが他のどの組織の人間よりも体制側にとってはコントロールし易い人物であり、必要であればカシミールのジハードを制御することにも同意すると見たからだ。さらにJamaat-ud-Dawaの財産分与に関して分裂したために、Saeedはもろくなってきた。この分裂でZafar Iqbal教授が率いる分列組織、Khairun Naasが生まれた。
●これらの組織は、カシミール問題が解決するまでムシャラフは過激派や過激行動を見放さないと確信している。2003年6月にアメリカのアーミテージ国務省副長官に過激派の取り締まりを約束したとき、過激派たちには数ヵ月間だけ静かにするよう要請されたが、その後再び国境を越えることを許されたと指摘する。そしてもし印パの話し合いが失敗した場合、LeTは再びJ&Kのジハード組織の最前線に躍り出て、Hafiz SaeedはJ&Kの過激派の新たな象徴となるだろう。
《ジャイシェ・ムハンマド (JeM)》
●パキスタンからJ&Kに入って活動する最も危険なジハード組織の1つであるJeMは、Khudamul Islamとして再結成し、イスラームの普及や社会活動をしていると主張する。JeMの責任者のMaulana Masood Azharは1999年に、インド機ハイジャック事件の際、インド政府によって人質と交換に釈放された。
●Azharは2003年12月のムシャラフ暗殺未遂事件に組織が関わったとして、パキスタンの諜報部の取り調べを受けた。しかしその後自爆テロ犯の1人Mohammad Jameelが、JeMの派生組織であるJamaatul Furqaanのメンバーであることが判明したために、疑いは晴れる。Jamaatul Furqaanは 、Maulana Abdul Jabbar、別名Maulana Umer Farooqが率いる組織である。自爆テロに先立ちAzharはISIに、Jabbarとその仲間11人が自分に反旗を翻したために、今後彼らの行動には責任をとらないと述べていた。
●パキスタン軍と諜報部がAzharを擁護しようとしていることは、国際警察Interpolによる、JeMの長を逮捕する要請を拒んだことからも明らかだ。Interpolはアメリカの法務省の依頼を受けて、Bahawalpur出身のMaulanaとオマル・シェイクを、2002年のダニエル・パール記者誘拐殺人事件と1999年のインド航空ハイジャック事件に関連して告訴したかったからだ。ハイジャック機にはアメリカ人が乗っていた。
●Azharが設立したJeMは、その軍事活動をJ&K内にほとんど限っている。唯一の例外が、2001年のインド国会議事堂事件だ。これに先立つ2001年10月に、AzharはJeMをTehrikul Furqaanと改称した。アメリカがJeMがテロ組織とみなしているという報告からとった措置だ。しかし改称にも関わらず、アメリカはこれをテロ組織と断定し、その活動を禁止させるようにムシャラフに圧力をかけた。Azharはすぐに新たな名前Khudamul Islamを登録した。
●9.11以後、JeMの責任者は数ヵ月間自宅軟禁となったが、すぐに解放された。AzharはISIの圧力を受け、部下たちにパキスタンにいるアメリカ人を標的にしないように指示した。しかし本当の脅威は、地下に潜ったJeMのメンバーだという。彼らはパキスタン全土に広がり、タリバンの追放やムシャラフのアフガニスタン政策の変更に対して、復習したくてたまらない。JeMの分派であるKhudamul IslamとJamaatul Furqaanは、現在対立を始めた。
●この亀裂は、ムシャラフがアフガニスタンに対する政策を変更した後に生じた。JeMのメンバーはパキスタン内のアメリカ関係機関を攻撃し、ブッシュ政権を擁護する軍支配者に圧力をかけようとした。しかし当局の命令に従って、Azharはこれを受け入れなかった。今後この亀裂が拡大し、重大な事態に発展していく恐れがある。
《ヒズブル・ムジャヒディン (HM) 》
●ラワルピンディのYousaf Shah、別名Syed Salahuddinが率いるヒズブル・ムジャヒディン (HM) とUnited jihad Council(UJC)は、今後注視が必要なジハード組織だ。戦闘員たちは全員J&Kで活動し、国内と国外出身メンバーを合わせて約2万人もいる。最も破壊的な力を持つジハード組織で、J&Kの戦闘員の60%を占める。
●スリナガルとムザファバードを結ぶ印パ間の国境を横切るバスの運行がついに可能になったとき、パキスタン当局はHMの責任者Salahuddinに一時的に攻撃を止めるように依頼した。しかしSalahuddinが率いる13カシミールジハード団連合であるUJCは再び結成され、パキスタン主体の3ジハード組織、LeT、JeM、そしてアルバダル・ムジャヒディンがUJCに加盟した。この新たな連合はmuwakhaat(兄弟関係合意)と呼ばれ、カシミールでジハードを行なうジハード団間の差異を解決しようとするものである。
世界でどのように多くのギャング( estamate )
●諜報情報によると、HMが率いるUJCの指令・制御系統を再構成することは、パキスタン諜報部がその行動を今まで以上に強く制御するためのものだったという。UJCの再組織化とともに、UJCの構成員たちは議会の承認なくしてJ&Kで攻撃をすることができない。これまでISIを悩ましてきたUJCの小さな組織は融合し、その数は13から5組織までに減った。Al-Barq、Tehreek-e-jihad、イスラーム前線、Brigade 313、HuMのカシミール人組織はKashmir Freedom Forceとなり、Al-BarqのFarooq Qureshiが率いることになった。The Muslim Janbaz Force、Al Jihad Force、Al Fateh Force、 ヒズブッラー、ジャミアトゥル・ムジャヒディンもKashmir Resistance Forceを結成し、Ghulam Rasool Shahが率いる。同様に訓練所はアザド・カシミールからパンジャーブ州や北西辺境州に移り、戦闘員たちの動きは厳しく監視されている。タキシラ、ハリブール、Boi、Garhi Habibullah、Tarbela、Gaziなどに訓練所があると報告されている。
●HMは1990年以来分裂してきたが、これらはすべて、Salahuddinを排除しようとする動きだったようだ。しかし「最高司令官」は生き延び、ラワルピンディに留まりながらHMやUJCをコントロールしている。ある前諜報員の言葉によると、「1ジハード組織が強くなりすぎないことが重要だ。全組織を統率するためには、これが鍵となる。ある組織が強くなりすぎたり影響力が大きくなりすぎると、当局はそれを分裂させ、互いに戦わせ場合もある。ヒズブル・ムジャヒディンも同様だ」。
《ハラカトゥル・ムジャヒディン (HuM)》
●最近までMaulana Fazalur Rehman Khalilが率いていたHuMは再び再結成し、武力が使命ではないと主張しながら、Jamiatul Ansarという名前で地下で活動している。政府の反過激派対策により、Maulana Khalilとアルカイダのつながりが浮上し、スパイマスターたちの助言にしたがって1月、最高幹部の地位を退いた。
●Khalilは8ヵ月にわたって拘束されたあと12月に釈放され、1月に現職を辞職するとともに、カラチ出身のMaulana Badar Munirを新たな責任者に任命した。Khalilは9.11以後も、アフガニスタンに戦闘員たちを送り込んだ疑いがかけられている。第2の容疑は、2003年のムシャラフ暗殺未遂事件に関わった犯人の一部が、彼の組織の者だったことだ。諜報情報源によると、Khalilはいまだに当局の要注意人物の中にあり、裏から組織を支配し続けるだろうという。
●2002年以後、HuMの枝組織であるHarkatul Mujahideen al-Alami(HuMA)はムシャラフ暗殺を含めて、さまざまなカラチの襲撃を実施した疑いがもたれている。2001年に政府はHuMの活動を禁止し、アルカイダに資金を流す恐れのある26組織とともに、その銀行口座を凍結した。
●諜報情報によると、HuMの約50人の良く訓練された工作員たちがHarkatul Mujahideen al-alamiという蓑をかぶり、ムシャラフやパキスタンにいるアメリカを標的としている。HuMは1998年8月にビンラディンとの関係を確立した。アメリカがコーストとジャララバードの訓練所を爆撃したときだ。この爆撃でHuMの訓練所が破壊され、活動員21人が殺害された。アメリカの諜報部は今でもHuMは他のジハード団と同様に、アルカイダやタリバンと関係を保っていると信じている。2001年にアメリカがアフガニスタンで作戦を開始したときに、Khalilはメンバー200人を率いてアフガニスタンに行ったことを忘れてはいない。
●欧米はパキスタンの「洞察力のある」軍事支配者の反過激派対策を賞賛しているが、これらの努力が結実するまでに、まだ多くのことをしなくてはならない。世界のシナリオは刻々と変化している。今最も必要なのは、心の変化だ。
The jihad lives on
Amir Mir、KARACHI
■マフスード族、金と武器の取り引きに同意[050311 Nations]
●マフスード族の枝族や氏族の長老たちは木曜日に、いくつかの変更はあったものの、現代的な武器を市場価格で政府に売却することに同意した。
●マフスード族と行政側のジルガが、タンクのPolitical Kutcheriで開催された。長い討論の結果長老たちは、マフスード族から武器を購入するという政府の申し出を受け入れた。
●マフスード族の長老によると、自分たちの安全のために、高い金額を支払って武器を入手したという。また現代的で洗練された武器を持つのは南ワジリスタンに限ったことではなく、部族地帯ならどこでも同じだと述べた。したがって同じようなキャンペーンを、他の部族地帯でも実施すべきだと要求。また昨年も軍は南ワジリスタンから膨大な量の武器を押収しているが、その武器の代価についても支払うように要求した。ただし軽武器や伝統的な武器は、自分たちの生活を守るために手放さないことを明言。
●行政側は長老たちのこれらの要求に答えて、政府はミサイル、ロケット弾、対空銃、迫撃砲、対戦車弾や手榴弾、地雷、爆発物を対象としているという。部族民たちから軽武器や伝統的な武器を取り上げるつもりはないと述べ、カラシニコフ、ライフル、銃、ビストルなどの所持は許した。
●両サイドとも再びジルガを開催することに同意し、今後の計画を話し合う。行政側はマフスード族から武器を買い上げたら、今度はアーマッドザイ・ワジール族との交渉を始める予定だという。
Mehsuds agree on cash-for-arms
Awar Din Mhhsud、South Waziristan
■消えることのない話題[050310 BBC]
●2004年2月3日に、カーン博士はパキスタンのテレビに登場し、パキスタンの核の秘密を、大量破壊兵器を作ることを望む組織や国家に渡したことを認め、許しを乞うた。ムシャラフ大統領たちは出版社の編集者たちを呼び集め、この件を忘れるように呼びかけた。罪を犯した者は十分苦しみ、特権も奪われたために、これ以上、罰は必要ではないという。ジャーナリストたちに、もしカーンに自分の行動を認めるように要求しなければ、パキスタンは窮地に陥っていたと語った。すべては終わった。だから寝ている犬を起こさないほうがいいと、ムシャラフはきっばり締めくくった。
●ほとんどの者たちが、いわれた通りにした。
《さらに危険》
●しかし一連の事件から1年たった今も、噂は絶えない。カーンの名前は繰り返し浮上してくる。
●2月14日に発行された雑誌『Time』は、カーンはたった1人で想像を絶するほど世界を危険な場所に変えてしまったと述べた。そしてカーンの核の闇マーケットは「まだ機能できる」という。
●イスラマバードは、この件をすぐにが否定した。そしてパキスタン政府は今になって、カーンがイランに「遠心分離器いくつか」を渡したことを正式に認めた。
●アメリカの出版界は、カーンのサーガは終わったと主張するパキスタン政府を疑い続ける。当然だろう。しかし不気味なのは、今この話が、パキスタン国内から持ち上がっていることだ。
●アナリストによると、これはアメリカとパキスタンとの間の奇妙な関係のせいだという。9.11以後の世界にとって、いかなる機密情報も、取り引きの材料となる。アルカイダについての情報をどの国よりも持つパキスタンは、この恩恵を最も受けている。パキスタンは、アフガン戦争から学んだ苦い教訓を利用しているだけだという。
《パキスタン、唖然》
●苦い教訓とは簡単にいえば、最も強力な同盟者に必要な材料すべてを渡してしまえば、もうあなたは必要でなくなる、ということだ。
●アフガニスタンにいたソ連との戦争におけるパキスタンの役割は、アメリカを永久に自分たちの同盟国にしておけるほどの力はなかった。ソ連がアフガニスタンから撤退すると、アメリカはパキスタンに興味を失い、その結果パキスタンは唖然となった。
●核拡散に関するパキスタンの役割において、いくら積極的に関わろうとしても、欧米社会からは自分たちの技術の面倒も見れない国とみられているために、永久的に頼りにされるはずはない。したがってパキスタンはこのゲームが続く限り、ゲームにおいて重要な位置づけに留まるために小出しに情報を提供し始めたのではないかと、アナリストは見る。
●もし情報が戦略的な資産であるなら、最大の注意を払って扱わなければならない。けちけちしなければならない。資産としての情報は、とくに軍事政府にとっては、同盟国たちをありがたく思わせ続けるために、さらに頼りにされるために用いられる。
●危険なゲームのように見えよう。しかしパキスタンのように国にとっては、世界は常に危険な場所だ。
●1980年代、パキスタンとその近隣諸国は世界に麻薬を産出し続けた。そして1990年代、この地域は世界的なテロ政権の温床に変わりつつあった。
●21世紀の初頭、パキスタンは世界的な核拡散国の中心となった。したがってパキスタンのアナリストたちは、カーン問題はこのまま続くと見ている。世界はこれからもいろいろなことを知るだろう。しかしゆっくりと、しかも小出しの情報を。
The story that refuses to die
By Aamer Ahmed Khan
■イランに「パキスタンの遠心分離器」[050310 BBC]
●パキスタンは、カーン博士がイランにウラニウムを濃縮するための遠心分離器を渡したことを明言した。パキスタンの高官が、カーン博士がイランに渡した各部品の内容を明言したのは初めてである。
●情報相のSheikh Rashid Ahmedは『BBC』のウルドゥー語放送で、遠心分離器「いくつか」が含まれていたと述べた。
●また政府は、カーンの行動についての情報はなかったとも述べた。「彼はイランを個人的に援助した」と、『AP』に語った。しかしアナリストたちは、カーンが隠れて行動することは不可能のはずだと指摘する。
●当局は、国連の核監視団がカーンを取り調べることを拒否している。「カーンを第三国に引き渡すことはない」と、Ahmedは今日語った。
Iran 'given Pakistan centrifuges'
■約束が無視されれば状況は悪化する、と武装勢力[050310 News]
●政府と和平協定を結んだワナの部族民抵抗勢力司令官は、当局が和平協定を守らないのであれば、状況は再び緊張するだろうと警告した。
●Haji Muhammad Omar司令官は、政府は和平協定で締結された合意を守っていないと訴えた。「我々は約束を守り、ここのところ攻撃はしていない。しかし政府はいまだにパキスタン軍のチェックポストを解除したり、取り壊された部族民の家屋や畑、果樹園の補償をしていない」という。
●しかしFATAの治安責任者のMahmood Shahは、そのような約束はしていないと述べた。「それらの約束事に合意が交わされたという証拠を見せてほしい。そのような約束をした仲介者たちに、説明してもらうべきだ」。
●またHaji Omarは、いまだに拘束されている6〜7人部族民を釈放するという約束も、実行していないという。「政府がほとんどの部族民を解放したことは事実だ。残りの6〜7人はデーラ・イスマイル・ハーンの刑務所から、ワナにあるZari Noor基地に移された。しかし約束したにもかかわらず、釈放されていてい」。
●しかしMahmood Shah准将は、拘束された男たちを釈放するという約束はしていないと明言した。「北西辺境州知事Syed Iftikhar Hussain Shahは武装勢力のリーダーのHaji Sharifに、逮捕者たちはデーラ・イスマイル・ハーンの刑務所からワナに移すことを約束した。同時知事は、逮捕者が釈放されるかどうかは、法に従って決めると述べた」と説明した。いまだに釈放されていない者たちは、取り調べのあとも「黒」とみなされ、彼らが黒ではないことが判明して部族民たちの保証がない限り、釈放されないという。
●Haji Sharifの弟であるHaji Omarは、政府は約束に従ってAzam WarsakとShin Warsakのチェックポストを撤去したが、Khamrang、Ziam Cheena、Pathnayその他数カ所は、いまだそのままだという。「すべてのチェックポストを撤去するということで、合意した。冬が終わったら抵抗勢力たちが再び攻撃を開始するという、誤った情報を信じないでほしい。我々にはそのような計画はない。したがって、チェックポストは撤去されなければならない」。
●補償に関しては、政府は3000万ルピーを行政側に払ったが、ワナの副行政官がいないために、支払いが滞っているという。この件に関してMahmood Shahは、3000万ルピーは、殺害あるいは負傷した住民や、物質的な被害を受けた住民への補償金だという。「行政側からは、補償金はすでに支払われたという報告を受けている。作戦の際に被害を受けた住民のリストはすでにできており、その家族は補償される。しかし軍事行動で殺害された戦闘員や、家を取り壊された容疑者などに対しては、補償金を支払うという約束はしていない」と述べた。
●約束を守らなければ、ワナの状況は再び悪化するというHaji Omarの警告に対しては、いつでも問題を明かにする用意はある。「合意の内容のコピーを送り、Inamullah Wazirのような仲介をした者を連れてきてほしい。我々が約束したことがあるのなら、話し合おう。この件をどう扱うかは、元抵抗勢力たち次第だ」。
Situation could worsen if pact ignored, warn Wana militants
Rahimullah Yusufzai、PESHAWAR
■ワジリスタンで援助活動家2人襲撃される[050310 Daily Times]
●北ワジリスタンで水曜日に、何者かが援助団体の車両に発砲し、運転手と女性活動家を負傷させた。
●車両はSouth FATA Development Projectのもので、ミランシャーから12キロ西の地点で襲撃された。この組織は女性を含む部族民たちに、社会意識をもたせることを目的に活動している。
●組織の責任者Humayun Khanによると、活動家たちはShna Khwaraで女性のためのコミュニティーを設立する手助けをしたあと、ミランシャーに戻ろうとしていたという。「村人たちに、我々が村にいることを快く思っていない人々がいるから、注意するようにと警告されていた」という。
2 aid workers injured in Waziristan attack
MIRANSHAH
■人権団体、アメリカ市民の釈放をパキスタンに要求[050309 AFP]
●国際的な人権団体が、カラチから連れ去られたあと「行方不明」となったパキスタン国籍のアメリカ人2人を、直ちに告訴するなり解放することを要求した。
●Human Rights Watchは、米政府がこの件に関わっているのかを明かにするように当政府に要求し、Zain AfzalとKashan Afzalはアメリカの依頼を受けてパキスタン、あるいはその他の国に拘束されているのか、問い合わせた。
●シカゴのFBI工作員がこの兄弟の親戚と接触しており、2004年8月に実施された家宅捜索にアメリカ人が参加していたという目撃情報がある。さらにアメリカ人がパキスタンの諜報部員と思われる2人を連れ去った男たちと、無線で連絡をとっていたという。
●Human Rights WatchによるとZain Afzalの妻が、地元警察に捜索を依頼したところ、警察はこれを事件として取り扱うことを拒否し、「諜報情報と関わる」と述べたという。
●行方不明の2人は両方ともイスラーム主義者で、カシミールの過激派組織のメンバーだった。2人とも1990年代にパンジャーブ州にあるヒズブル・ムジャヒディンのキャンプで訓練を受けた経験がある。
Group asks Pakistan to charge or release US citizens
NEW YORK
■前タリバン司令官、恩赦でアフガンにおける戦い終結を期待[050309 Paktribune]
●政府が申し出た恩赦を受け入れたタリバン4人の1人で、リヤドの前タリバン外交官だったHabibullah Fawziは、一連の動きにより戦いが終結し、国の再建が進展することを期待したいと述べた。
●Habibullah Fawziは、タリバンとアフガン政府との間で、話し合いが2年間ほど続いていたと述べ、両サイドとも、多くの点で意見の合意があったという。「国家の利益のために、イスラーム原理やアフガンの価値観に基づいて、民族間で理解し合うことが必要だ」。「平和と統一、安定を望み、アフガニスタンの平和と安定はアフガンだけでなく、この地域、そして全世界にとっても必要だ」という。
●「我々はタリバンの代表としてではなく、Khuddam ul Furqanの代表として、政府と話し合った」。「もちろん、軍事行動をしているグループもある。しかし我々は、国家の平和と安定を築くために、多くの人々が闘争や衝突を終わらせることを望んでいると信じる」。
Former Taliban commander hopes amnesty offer to put an end to
fighting in Afghanistan
■タリバン、夏に攻撃増強することを誓う[050309 Daily Times]
●タリバンは火曜日に、政府やアメリカ主導軍に対する攻撃を続行することを誓い、カブールでイギリス人を殺害したと犯行声明を出した。
●前国防大臣のMullah Obidullahの言葉としてタリバン報道官のAbdul Latif Hakimiは、「最近米軍報道官がタリバンは制圧され、もはや攻撃する力はないと発表した。そのために我々はカブールにいる仲間に作戦を行なうように指示し、タリバンがまだ活動できることを証明した」と述べた。月曜日に米軍のEric T. Olsonが、南部や南東部にいるタリバンは弱体化したと述べている。
●オマール師の下の地位にいるObidullahは、「天候が暖かくなってきたら、作戦を行なう」と述べ、「カブールで起きたイギリス人への襲撃を実施した」と主張した。「仲間が昨晩イギリス人を襲撃して、逃走することに成功した。もし政府が誰かを逮捕したとしても、その者は無実だ。なぜなら犯行を行なった者は、もはやカブールにはいないからだ」。
Taliban vow more attacks in summer
KABUL
■逮捕された抵抗勢力はカタール、アルバニア、ソマリア出身[050308 News]
●3月5日、北ワジリスタンで実施された軍事作戦で逮捕された4人の外国人抵抗勢力たちは、カタール、アルバニア、ソマリア、タジキスタン出身の男それぞれ1人を含んでいたという。
●情報によると、この4人の他にパキスタン人7人が、軍の取り調べを受けているという。また、殺害された男のうち1人はスーダン人のようだ。
●男たちは、Ghazalというワジール族が所有する家に隠れていた。部族民Noor Ayazとともに、Ghazalも逮捕された。またカラチ出身の男3人、ペシャワルとタンク出身の男も逮捕されている。
Captured militants are from Qatar, Albania and Somalia
Rahimullah Yusufzai、PESHAWAR
■タリバン3人、アメリカに引き渡される[050308 Daily Times]
●パキスタンで逮捕された3人のタリバン幹部が、バグラム基地にいる米軍に引き渡されたと、アフガン諜報源を引用した『Pajhwok Afghan News』が報道した。
●米軍に拘束された高官はナンガハール州元警察長のMaulvi Mohammad Taha、タリバン司令官幹部のMulla Abdul Razzaq、タリバンの枝組織Jaish-e-MuslimeenのリーダーSyed Akbar Aghaだという。Syed Akbar Aghaは、昨年10月に発生したカブールの国連職員誘拐の容疑がかけられている。
Three Taliban officials handed over to US
PESHAWAR
■アフガニスタンでイギリス人射殺される[050308 BBC]
●アフガニスタンでアフガン政府のアドバイザーとして働いていたイギリス人が、カブールで射殺された。
●男は月曜日の夜、1人で車を運転している最中に射殺された。事件の詳細は明らかになっていないが、警察によると、別の車両から狙撃されたようだという。
Briton shot dead in Afghanistan
■タリバン30人、恩赦を受け入れる[050307 AFP]
●タリバン約30人が恩赦を受け入れて、米軍に投降したとアメリカ高官が述べた。
●Eric T. Olson米軍司令官によると、中堅タリバンたちが武器を捨て、処罰を受けずに村に戻ることを許されたという。「約30人の中堅タリバン高官を、和解プログラムによって受け入れた」という。
●Olson司令官は、恩赦を受け入れたタリバンたちが、すでにカンダハルやコースト州の社会に復帰しているという。
Thirty Taliban surrender under arms-for-amnesty drive: US
KABUL
Sniffed Out By Trail Dog 0-1, 2003 - 2005.
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